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2001年11月22日(木)
20011122
インドいき/ウイリアム・サトクリフ
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ソニー・マガジンズから、感想を書いてくれと送られてきた本。

一人の若者が、女の子と二人でインド旅行に行くことになり、七転八倒しながら帰国するまでの、笑いあり、涙ありの旅行記。

面白いとは思ったが、どこかに悲壮感が漂っているのはなぜだろう?女性作家のユーモア小説は、たとえ不運続きの人生でも笑い飛ばすくらいの強さがあるが、男性作家の書くこの手のユーモア小説というのは、なぜか哀感が漂っている。


2001年11月21日(水)
20011121
天使だけが聞いている12の物語/ニック・ホーンビィ編
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『ブリジット・ジョーンズの日記』の作者ヘレン・フィールディングも執筆している短編集。こういったアンソロジーの例にもれず、すごく面白い!とは思えないが、まあまあ、そこそこの感想といったところ。

2001年11月20日(火)
20011120
こわれた心を癒す物語(B+)/ジャコモ・バッティアート
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これは読んだ人の心が癒されるのかと、勘違いする人も少なくはないのではないかと思うタイトルだ。事実、私も癒し系の物語かと思っていた。しかし、実際はこのまんまの意味なのだ。

ふとした両親の不注意な言葉から、心が壊れてしまった少女。精神病院で隔離され、ひどい状態に置かれてたいたこの少女を、ある若い医師が救い出し、外の世界へと連れ出す。彼は自分の婚約者さえも捨てて、少女の心の闇を開こうとする。そして最後には、その少女は医師の妻となるのだ。

どうも納得できない物語だった。

何か強く惹かれるものがあったからこそ、糞尿にまみれ、吐き気を催すようなひどい悪臭の中で、ひとり隔離されている少女に、興味を持ったのだろうが、果たしてこの少女を救ってやりたいという、純粋な思いだけなのだろうか?少女の狂気に、この医師も同化してしまったのでは?と思うのは、考えすぎか?しかしそれくらい、私には気持ちの悪い話だった。少女の心を癒してやりたいと思うのは立派だが、婚約者の心は踏みにじってもいいのだろうか?やはり納得できない。

2001年11月19日(月)
20011119
ミッドナイト・オールデイ/ハニフ・クレイシ
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個人的にハニフ・クレイシは大嫌いな作家。しかしブックプラスに入っている以上、ブックプラスシリーズは全部読むと公言した手前、とにもかくにも読まなければ!というわけで、嫌々ながらも早く片付けたくて一気読み。

以前にも『僕は静かに揺れ動く』を読んで、いやーーーーーな気分になったが、これもまた同じ。男は本当は弱いもので、それをみんな隠しているのだが、クレイシが彼らの代弁をしてくれているとする人もいるが、そういうことと、次から次へと不倫願望を述べ立てるのでは、ちょっと違うだろう。クレイシは人間としての責任感も何もない、ただの好色なおやじだ。

クレイシは、と作家をそうだと決め付けるのは間違いかもしれないが、クレイシほど作家と小説の内容を同一視してしまう作家はいない。これは絶対自分のことを書いていると思うから。なぜなら想像力のかけらもないから、相手の女性の気持ちを考えることもできず、自分のわがまま勝手なことばかり言えるのだ。

とにかく今後ブックプラスのラインナップに入らないことを祈るばかり。もっとも、ここまで嫌だと思わせるというのも、個性があっていいと言えなくはない。100歩譲って、そういうことにしておこう。

2001年11月18日(日)
20011118
恋する遺伝子/ローラ・ジッグマン
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映画にもなっている本。 各章の頭に引用文が載っていて、それにいちいち引っかかってしまう。(^^;

●生来、男は変化を愛する。美しいものに惹かれ、真新しいものに惹かれる。これについて、ヨーガ・ヴァニシータは哲学的な返事をしている。「欲しいものを手に入れた瞬間から、それはもう欲しいものではなくなる。なにかを手に入れたいという欲望は、それが手に入った瞬間、霧散してしまうのだ」─『カーマ・スートラ』

:生来美しいものに惹かれるって、美しくない人はどうしたらいいの?ここでひとつ救われるのは、人の美的感覚は、多種多様だってこと。なにも心配することはない。

●ショウジョウバエは、オスが一連の儀式を最後まで行い、メスがオスを受け入れる状態にならないかぎり、交尾は行わない。─『サイエンティフィック・アメリカン』

:てことは、ショウジョウバエの世界では、強姦とかレイプって事件はないわけだ。すると、意識的には人間のほうが虫より劣ってるってわけ?

●ふたりの人間がたがいに魅力を感じて惹かれ合うと、神経細胞間の情報伝達の流れを加速する分子、PHA(フェニルエチルアミン)が噴出して体が震え出す。アンフェタミン(中枢神経への刺激剤)に似た化学物質、PEAの刺激によって脳は極度の興奮状態におちいるので、恋人たちは幸福感に酔いしれ、若返ったような気がして、楽天的になり、元気がみなぎって、一晩中語り明かしたり、何時間も続けてセックスしたりする。─ダイアン・アッカーマン『「愛」の博物誌』

:我々が心や頭でしていると思っていた恋愛は、神経細胞間の情報伝達の流れを加速する分子による化学反応だったのか!てことは、何時間も続けられない人は化学物質が足りないのだろうか?

●オスは活発な求愛行動を見せるが、実際は一種の恐怖状態にある。それどころか、まだ恐怖心が意気込みに勝っている初期の段階では不安でたまらず、メスがちょっとでもオスに働きかけただけで、逃げ出してしまう。─M・J・ウォルターズ『ザ・ダンス・オブ・ライフ』

:行け行けドンドンじゃダメってことですよ。小泉軍曹!

●メスは自分にとってもっとも魅力的なオスではなく、もっとも嫌悪感をおぼえにくいオスを選ぶ。─チャールズ・ダーウィン『ヒトの遺伝と性に関する選択』

:好みと現実は違うって、こういうところから来てるんだ! ヒトの遺伝子がそういうことになってるわけね。なるほど。なぜか妙に納得。

●ドクター・パトリシア・プライナーの最近の研究によると、体重の重い軽いにかかわらず、より少ない量を食べる女性のほうが、男性からも女性からも女性らしいとみなされることがわかった。男性の男性らしさの印象は、食べる量には影響されない。─『ニューヨーク・タイムズ』

:ぢ、ぢゃあ、ちょっとずつ何回も食べるっていうのはどうなんだろう?<苦しまぎれ。

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