SCHAZZIE CLUB http://schazzieclub.grupo.jp/ ja SCHAZZIE CLUB http://schazzieclub.grupo.jp/ ぼくたちの終わらない夏/クリストファー・ライス http://schazzieclub.grupo.jp/blog/361082 2002年01月24日(木)20020124ぼくたちの終わらない夏(B+)/クリストファー・ライス---+---+---+---+++---+---+---+---1)冒頭の書き出しはなかなかいい。ジャンルはヤングアダルトだと思っていたけれど、これってミステリー?と思わせるような、ちょっとゾクゾクした感じ。と思いきや、えっ!ホモ小説?な、なんですって!?とびっくり。男の子3人、女の子1人の幼馴染が成長していく過程で、さまざまな事件が起こる。その根底に流れているものはやっぱり同性愛というテーマなのだろうか?かといって、そのことが特にクローズアップされているわけでもない。1つの事件に対して4人それぞれの、そのときの状況が克明に描かれている。また、彼らの家族や周囲の人たちについても。場面がころころと変わり、現在と過去を行ったり来たりする小説はよくあるが、これは年代を追って順に書いてあるので、登場人物の多さに比べて混乱は少ない。2)後半に入り、いよいよ物語も核心にふれてきた。やはりメインのテーマは同性愛というか、ホモ?赤裸々な描写もあるのだけれど、それがあまりえげつなくならないのは、割と淡々とした語り口で、事件を克明に描写することを心がけているせいだろうか?あまり作者の感情というものは見受けられないが、登場人物ひとりひとりの苦しみや悲しみが、よく表現されている。たたみかけるように語られる物語は、次から次へとページをめくらせる力がある。しかし、男の子たちの苦悩と共にあるのが母親たちの苦悩だ。ホモという状況を描くのも結構難しいだろうと思ったが、クリストファー・ライスはアン・ライスの息子で、クリストファーにも母親の影響は大きいのだろう。アン・ライスのデビュー作も、バンパイアものだけれど、たしか同性愛を描いていたのではなかったっけ?アン・ライスの息子であるということで、その資質を受け継いでいるとも思えるし、小説を書く環境に恵まれているとも思える。3)本の好みは人それぞれなので、普段はめったに「おすすめの本」というのは口にしないのだけど、この本はぜひ読んでみて欲しい本だと思った。ホモやゲイといったテーマなのだが(同性愛についてはここではノーコメントにしておくが)、とにかくよく書かれている。23歳のデビュー作とは思えない、見事なストーリー・テリングだと思う。一度も退屈な部分がなかったのは賞賛に値する。母親譲りの神秘的なイメージと、ミステリーの謎解きとを合わせ持ったこの物語は、淡々と描かれていながらも、作者自身の心の苦悩をあらわしたハイスクール時代の描写がきめ細かく生き生きとしていて、涙さえ誘う。しかしポイントは、大人になるにつれて周囲がみな屈折していくのに、おそらく著者の分身であろうと思われる主人公だけは現実をしっかり受け止めながらも、何も変わらないことだ。それが今時のポストモダン的な小説とは大きく異なる部分。だいたいは主人公が暴力やドラッグなどに染まり、わざと行儀の悪い生き方をしているような話の多い、ポストモダン小説嫌いの私にとっては驚きでもあり、新鮮でもあり、23歳の今時の若者がこのような小説を書いたことを、非常に嬉しくも思った。物語は4人の幼馴染みの人生だけでなく、彼らの周囲の人間の人生までも描き出しており、それぞれの年代の苦悩というものもわかる。若干23歳にして、鋭い洞察力だ。もしかしたら、著者自身がいじめられ、悩み、苦しんだ結果なのかもしれない。余談だけれど、登場する男の子が例えどうしようもない不良でも憎めず、みな魅力的なのは、著者自身が同性愛者のせいなのだろうか? 2013-08-25T17:44:00+09:00 2002年01月24日(木)20020124ぼくたちの終わらない夏(B+)/クリストファー・ライス---+---+---+---+++---+---+---+---1)冒頭の書き出しはなかなかいい。ジャンルはヤングアダルトだと思っていたけれど、これってミステリー?と思わせるような、ちょっとゾクゾクした感じ。と思いきや、えっ!ホモ小説?な、なんですって!?とびっくり。男の子3人、女の子1人の幼馴染が成長していく過程で、さまざまな事件が起こる。その根底に流れているものはやっぱり同性愛というテーマなのだろうか?かといって、そのことが特にクローズアップされているわけでもない。1つの事件に対して4人それぞれの、そのときの状況が克明に描かれている。また、彼らの家族や周囲の人たちについても。場面がころころと変わり、現在と過去を行ったり来たりする小説はよくあるが、これは年代を追って順に書いてあるので、登場人物の多さに比べて混乱は少ない。2)後半に入り、いよいよ物語も核心にふれてきた。やはりメインのテーマは同性愛というか、ホモ?赤裸々な描写もあるのだけれど、それがあまりえげつなくならないのは、割と淡々とした語り口で、事件を克明に描写することを心がけているせいだろうか?あまり作者の感情というものは見受けられないが、登場人物ひとりひとりの苦しみや悲しみが、よく表現されている。たたみかけるように語られる物語は、次から次へとページをめくらせる力がある。しかし、男の子たちの苦悩と共にあるのが母親たちの苦悩だ。ホモという状況を描くのも結構難しいだろうと思ったが、クリストファー・ライスはアン・ライスの息子で、クリストファーにも母親の影響は大きいのだろう。アン・ライスのデビュー作も、バンパイアものだけれど、たしか同性愛を描いていたのではなかったっけ?アン・ライスの息子であるということで、その資質を受け継いでいるとも思えるし、小説を書く環境に恵まれているとも思える。3)本の好みは人それぞれなので、普段はめったに「おすすめの本」というのは口にしないのだけど、この本はぜひ読んでみて欲しい本だと思った。ホモやゲイといったテーマなのだが(同性愛についてはここではノーコメントにしておくが)、とにかくよく書かれている。23歳のデビュー作とは思えない、見事なストーリー・テリングだと思う。一度も退屈な部分がなかったのは賞賛に値する。母親譲りの神秘的なイメージと、ミステリーの謎解きとを合わせ持ったこの物語は、淡々と描かれていながらも、作者自身の心の苦悩をあらわしたハイスクール時代の描写がきめ細かく生き生きとしていて、涙さえ誘う。しかしポイントは、大人になるにつれて周囲がみな屈折していくのに、おそらく著者の分身であろうと思われる主人公だけは現実をしっかり受け止めながらも、何も変わらないことだ。それが今時のポストモダン的な小説とは大きく異なる部分。だいたいは主人公が暴力やドラッグなどに染まり、わざと行儀の悪い生き方をしているような話の多い、ポストモダン小説嫌いの私にとっては驚きでもあり、新鮮でもあり、23歳の今時の若者がこのような小説を書いたことを、非常に嬉しくも思った。物語は4人の幼馴染みの人生だけでなく、彼らの周囲の人間の人生までも描き出しており、それぞれの年代の苦悩というものもわかる。若干23歳にして、鋭い洞察力だ。もしかしたら、著者自身がいじめられ、悩み、苦しんだ結果なのかもしれない。余談だけれど、登場する男の子が例えどうしようもない不良でも憎めず、みな魅力的なのは、著者自身が同性愛者のせいなのだろうか? テリーと海賊/ジュリアン・F・トンプスン http://schazzieclub.grupo.jp/blog/361078 2002年01月23日(水)20020123テリーと海賊(B+)/ジュリアン・F・トンプスン---+---+---+---+++---+---+---+---1)テリー・タリーは16歳と8ケ月。大人の束縛から逃れて、いざ永遠の楽園、カリブの島を目指して家出を決行!ところが、船は嵐に遭い、海賊に捕まって南の孤島に撮れ去られる。さてさて、テリーの運命やいかに…!ジャンルはヤングアダルト。最近ヤングアダルトものの翻訳と言えば、なぜか金原瑞人氏が起用される。たしかにフランチェスカ・リア・ブロックの『ウィーツィー・バット』はよかったが、それを「なかなかいいじゃん!」と学生に褒められてからというもの、全て同じような訳になってしまっていて、この『テリーと海賊』もその例にもれない。そういう懸念を持って読み始めたので、ああ、やっぱり!と思った時には、がっかりを通り越して、怒りさえ覚えてしまった。少なくともプロの翻訳家なんだから、ひとつ上手くいったからって、全部それと同じように訳さないでよ!ったく!楽しい物語だと思うので、原書で読める人は原書で読んだほうがずっといいだろうと思う。2)これって、一種の「ブリジット・ジョーンズの日記」的な面白さだと思う。毎日あれして、これして・・・という記述。そこにちょっとした冒険とちょっとエッチな話が混じって、今時の若者言葉で軽く進んでいく。割と正直に赤裸々に感情を表現していて、小説というよりもやっぱり日記に近い感じ。なので、面白い。でも、原書で読めば、もっと面白いだろう。3)翻訳がどうのこうのと言ってはいたけれど、それをあまりある面白さだった。アメリカの人気コミック『テリーと海賊』をもとに書いた小説なので、コミック的な軽妙さがあり、場面ごとに絵が思い浮かぶよう。登場するキャラクター達もそれぞれ個性的で、それぞれ魅力的。これもまた絵が思い浮かぶようだ。こと細かな描写は、やはり日記的。これまでの海洋冒険小説と違うのは、行った先が絶望的な無人島というわけではなく、表向きは無人島だが、そこに住んでいた海賊は文明的な生活をしていて、周りにはアメリカの一般的商品があふれているということ。それと、主人公のテリーの性格が前向きで明るく、けして世をはかなんで・・・というような考えを持たないのと、ちゃんとした常識も持ち合わせているのが救われる。例えば、人を殺してはいけないとか、むやみにエッチしたらいけないとか・・・。家出はしたけれど、大人に反抗したわけじゃない。「翼を広げよう」というあくまでも前向きな一大決心だったりするのだ。人殺しも暴力もあたりまえのように書かれている物語が氾濫している中で、健康的で明るい、ほっとする物語だった。 2013-08-25T17:37:00+09:00 2002年01月23日(水)20020123テリーと海賊(B+)/ジュリアン・F・トンプスン---+---+---+---+++---+---+---+---1)テリー・タリーは16歳と8ケ月。大人の束縛から逃れて、いざ永遠の楽園、カリブの島を目指して家出を決行!ところが、船は嵐に遭い、海賊に捕まって南の孤島に撮れ去られる。さてさて、テリーの運命やいかに…!ジャンルはヤングアダルト。最近ヤングアダルトものの翻訳と言えば、なぜか金原瑞人氏が起用される。たしかにフランチェスカ・リア・ブロックの『ウィーツィー・バット』はよかったが、それを「なかなかいいじゃん!」と学生に褒められてからというもの、全て同じような訳になってしまっていて、この『テリーと海賊』もその例にもれない。そういう懸念を持って読み始めたので、ああ、やっぱり!と思った時には、がっかりを通り越して、怒りさえ覚えてしまった。少なくともプロの翻訳家なんだから、ひとつ上手くいったからって、全部それと同じように訳さないでよ!ったく!楽しい物語だと思うので、原書で読める人は原書で読んだほうがずっといいだろうと思う。2)これって、一種の「ブリジット・ジョーンズの日記」的な面白さだと思う。毎日あれして、これして・・・という記述。そこにちょっとした冒険とちょっとエッチな話が混じって、今時の若者言葉で軽く進んでいく。割と正直に赤裸々に感情を表現していて、小説というよりもやっぱり日記に近い感じ。なので、面白い。でも、原書で読めば、もっと面白いだろう。3)翻訳がどうのこうのと言ってはいたけれど、それをあまりある面白さだった。アメリカの人気コミック『テリーと海賊』をもとに書いた小説なので、コミック的な軽妙さがあり、場面ごとに絵が思い浮かぶよう。登場するキャラクター達もそれぞれ個性的で、それぞれ魅力的。これもまた絵が思い浮かぶようだ。こと細かな描写は、やはり日記的。これまでの海洋冒険小説と違うのは、行った先が絶望的な無人島というわけではなく、表向きは無人島だが、そこに住んでいた海賊は文明的な生活をしていて、周りにはアメリカの一般的商品があふれているということ。それと、主人公のテリーの性格が前向きで明るく、けして世をはかなんで・・・というような考えを持たないのと、ちゃんとした常識も持ち合わせているのが救われる。例えば、人を殺してはいけないとか、むやみにエッチしたらいけないとか・・・。家出はしたけれど、大人に反抗したわけじゃない。「翼を広げよう」というあくまでも前向きな一大決心だったりするのだ。人殺しも暴力もあたりまえのように書かれている物語が氾濫している中で、健康的で明るい、ほっとする物語だった。 アンダー・ザ・スキン/ミッシェル・フェイバー http://schazzieclub.grupo.jp/blog/361076 2002年01月22日(火)20020122アンダー・ザ・スキン(B+)/ミッシェル・フェイバー---+---+---+---+++---+---+---+---1)読み始めはうげげ!と思ったこの小説、だんだんはまってきた。それというのも、主人公のイサーリーという女性は何物なのか?という好奇心がわいてきたから。動物と人間の立場が逆転したら・・・というこの話、イサーリーたちは自分たちを正常な人間と思い、我々人間を動物だと見なしているのだ。ここで疑問なのは、「人間」という言葉はどんな生物に対して使われるものなのだろうかということ。我々人類は自分たちを「人間」だと思うが、我々が動物だと思うであろうイサーリーたちは、自分たちこそ「人間」だと思っている。ここには翻訳上の問題もあるのかもしれないが、原文ではどうなっているのだろう?そして、動物を人間に変身させるほどの外科手術のできる高度な文明を持つ、イサーリーたちは何物?どうやら人間(ヴォドセル)を捕まえ、太らせて食料にしているらしいのだ。生々しい記述もあって、たしかにうげげ!なのだが、彼女たちが何物かを知りたいという欲求が、先へと進ませる。ジャンルとしてはSFっぽい。2)結局、主人公は何者なのか最後までわからなかった。文章のあちこちからなんとなく想像するところでは、犬のような生物で、地球の地下からやって来ているのではないかということ。なので、地下にはない地上の自然を非常に美しいと思っている。それにしても、例えば元の姿が犬だとして、それを二足歩行にし、顔も体も人間に近い状態に整形するというのは、考えるだけでも大変。なぜそこまでして人間の肉が食べたいのか?少なくとも主食ではないようで、明らかに贅沢品のようだ。それに、動物が人間を襲う事件もないわけではないのだから、動物の姿のままでも十分狩はできるだろう・・・なんて思ってしまうと、この話は成り立たないのか。奇妙な小説で興味はそそられたけれど、やっぱり気持ち悪いし、最後まで正体が明かされないのは欲求不満になる。話の起承転結の起と承で終わってしまったという感じ。 2013-08-25T17:31:00+09:00 2002年01月22日(火)20020122アンダー・ザ・スキン(B+)/ミッシェル・フェイバー---+---+---+---+++---+---+---+---1)読み始めはうげげ!と思ったこの小説、だんだんはまってきた。それというのも、主人公のイサーリーという女性は何物なのか?という好奇心がわいてきたから。動物と人間の立場が逆転したら・・・というこの話、イサーリーたちは自分たちを正常な人間と思い、我々人間を動物だと見なしているのだ。ここで疑問なのは、「人間」という言葉はどんな生物に対して使われるものなのだろうかということ。我々人類は自分たちを「人間」だと思うが、我々が動物だと思うであろうイサーリーたちは、自分たちこそ「人間」だと思っている。ここには翻訳上の問題もあるのかもしれないが、原文ではどうなっているのだろう?そして、動物を人間に変身させるほどの外科手術のできる高度な文明を持つ、イサーリーたちは何物?どうやら人間(ヴォドセル)を捕まえ、太らせて食料にしているらしいのだ。生々しい記述もあって、たしかにうげげ!なのだが、彼女たちが何物かを知りたいという欲求が、先へと進ませる。ジャンルとしてはSFっぽい。2)結局、主人公は何者なのか最後までわからなかった。文章のあちこちからなんとなく想像するところでは、犬のような生物で、地球の地下からやって来ているのではないかということ。なので、地下にはない地上の自然を非常に美しいと思っている。それにしても、例えば元の姿が犬だとして、それを二足歩行にし、顔も体も人間に近い状態に整形するというのは、考えるだけでも大変。なぜそこまでして人間の肉が食べたいのか?少なくとも主食ではないようで、明らかに贅沢品のようだ。それに、動物が人間を襲う事件もないわけではないのだから、動物の姿のままでも十分狩はできるだろう・・・なんて思ってしまうと、この話は成り立たないのか。奇妙な小説で興味はそそられたけれど、やっぱり気持ち悪いし、最後まで正体が明かされないのは欲求不満になる。話の起承転結の起と承で終わってしまったという感じ。 絵本 http://schazzieclub.grupo.jp/blog/361075 2002年01月21日(月)20020121絵本---+---+---+---+++---+---+---+---TheGreatGooseHunt/SelinaYoungBeforeGoldilocks/VivianFrenchLittle,TrirrillandtheBirds/LucyCoatsTheTwinsandtheWet,Wet,Wet/AlanGibbonsTheTopsy-Turvies/FrancescaSimonWolfman/MichaelRosenQuackyDuck/PaulandEmmaRogers 2013-08-25T17:29:00+09:00 2002年01月21日(月)20020121絵本---+---+---+---+++---+---+---+---TheGreatGooseHunt/SelinaYoungBeforeGoldilocks/VivianFrenchLittle,TrirrillandtheBirds/LucyCoatsTheTwinsandtheWet,Wet,Wet/AlanGibbonsTheTopsy-Turvies/FrancescaSimonWolfman/MichaelRosenQuackyDuck/PaulandEmmaRogers 分別と多感/ジェーン・オースティン http://schazzieclub.grupo.jp/blog/360904 2001年12月31日(月)20011231分別と多感/ジェーン・オースティン---+---+---+---+++---+---+---+---途中何度も中断したが、興味を失うことなく面白く読めた。何と言っても、最後のどんでん返しにはびっくり!多少の期待と予想はあったものの、まさか!本当に!という感じ。そのどんでん返しがまた、予測のつかない顛末。それによって八方丸く収まり、皆が幸せになるのだけれど、ただただ驚き、唖然とする。『自負と偏見』同様、さすがオースティンと思わせる詳細な人物描写だが、特にエリナとマリアンの姉妹の性格の対比は見事。物語はめでたし、めでたしで良かったが、少々都合が良すぎるのでは?という感じもなきにしもあらずというところ。オースティンのワイドショー的面白さにはまると、他の物語がつまらなく思える。ただし、作品がみな似ているので、混乱しないためにも、少々間をおく必要はありかもしれない。 2013-08-25T06:00:00+09:00 2001年12月31日(月)20011231分別と多感/ジェーン・オースティン---+---+---+---+++---+---+---+---途中何度も中断したが、興味を失うことなく面白く読めた。何と言っても、最後のどんでん返しにはびっくり!多少の期待と予想はあったものの、まさか!本当に!という感じ。そのどんでん返しがまた、予測のつかない顛末。それによって八方丸く収まり、皆が幸せになるのだけれど、ただただ驚き、唖然とする。『自負と偏見』同様、さすがオースティンと思わせる詳細な人物描写だが、特にエリナとマリアンの姉妹の性格の対比は見事。物語はめでたし、めでたしで良かったが、少々都合が良すぎるのでは?という感じもなきにしもあらずというところ。オースティンのワイドショー的面白さにはまると、他の物語がつまらなく思える。ただし、作品がみな似ているので、混乱しないためにも、少々間をおく必要はありかもしれない。 シングルトンズ・ダイアリー/アンソロジー http://schazzieclub.grupo.jp/blog/360902 2001年12月30日(日)20011230シングルトンズ・ダイアリー---+---+---+---+++---+---+---+---「ブリジット・ジョーンズの日記」サイトに書かれた90人分の日記のアンソロジーブック。もちろん私の日記もあります・・・。(^^;本として面白いのか?面白くないのか?これに直接かかわった本人であるだけに、複雑な心境。 2013-08-25T05:56:00+09:00 2001年12月30日(日)20011230シングルトンズ・ダイアリー---+---+---+---+++---+---+---+---「ブリジット・ジョーンズの日記」サイトに書かれた90人分の日記のアンソロジーブック。もちろん私の日記もあります・・・。(^^;本として面白いのか?面白くないのか?これに直接かかわった本人であるだけに、複雑な心境。 ミスター・ヴァーティゴ/ポール・オースター http://schazzieclub.grupo.jp/blog/360900 2001年12月29日(土)20011229ミスター・ヴァーティゴ/ポール・オースター---+---+---+---+++---+---+---+---1)「クリスマスにはオースター」の約束を果たした柴田さんの訳。冒頭を読んで、他のオースターの作品とはちょっと違うかな?という感じ。でもたぶん、根底に流れているものは同じなんだろうな。。。2)だんだんオースターっぽくなってきた感じ。とはいえ、まだまだ最初のほうですが・・・。主人公の男の子が、少し素直になって心を開いてきたのかな?あまり捨て鉢でなくなって、なんだかほっとしてます。3)なかなか集中できず先に進まないので、外に出て70ページほど読む。オースターの作品には、排泄物の記述がよく出てくるが、その中でもこれはダントツ。性に関する表現も露骨で、「知性的で上品」というオースターのイメージがちょっと崩れた。柴田さんの訳が悪いわけではないけれど、原書で読むべきだったかもしれない。日本語では、あまりにもあからさますぎる。個人的好みではあるけれど、こういう露骨な表現はどんなにストーリーが面白くても、そこでふっと覚めてしまう。オースターには使ってほしくなかったけれど、これも文学ってことなんだろうか。詩的な文章も苦手だが、あまりにあからさまなのもちょっと・・・。4)あからさまな描写が好みではなかったものの、ストーリーは面白かった次にどんな展開が待っているのかが気になり、後半は一気に進んだ。やはり、さすがオースターであると思える物語。飛翔して落下して、また飛翔する。「落ちる」というのはここでは本当に落下するわけだが、主人公ウォルトの人生も同じように落ちて、また上昇しての繰り返し。オースターの「落ちる感覚」健在と思えた作品だった。 2013-08-25T05:53:00+09:00 2001年12月29日(土)20011229ミスター・ヴァーティゴ/ポール・オースター---+---+---+---+++---+---+---+---1)「クリスマスにはオースター」の約束を果たした柴田さんの訳。冒頭を読んで、他のオースターの作品とはちょっと違うかな?という感じ。でもたぶん、根底に流れているものは同じなんだろうな。。。2)だんだんオースターっぽくなってきた感じ。とはいえ、まだまだ最初のほうですが・・・。主人公の男の子が、少し素直になって心を開いてきたのかな?あまり捨て鉢でなくなって、なんだかほっとしてます。3)なかなか集中できず先に進まないので、外に出て70ページほど読む。オースターの作品には、排泄物の記述がよく出てくるが、その中でもこれはダントツ。性に関する表現も露骨で、「知性的で上品」というオースターのイメージがちょっと崩れた。柴田さんの訳が悪いわけではないけれど、原書で読むべきだったかもしれない。日本語では、あまりにもあからさますぎる。個人的好みではあるけれど、こういう露骨な表現はどんなにストーリーが面白くても、そこでふっと覚めてしまう。オースターには使ってほしくなかったけれど、これも文学ってことなんだろうか。詩的な文章も苦手だが、あまりにあからさまなのもちょっと・・・。4)あからさまな描写が好みではなかったものの、ストーリーは面白かった次にどんな展開が待っているのかが気になり、後半は一気に進んだ。やはり、さすがオースターであると思える物語。飛翔して落下して、また飛翔する。「落ちる」というのはここでは本当に落下するわけだが、主人公ウォルトの人生も同じように落ちて、また上昇しての繰り返し。オースターの「落ちる感覚」健在と思えた作品だった。 A Country Christmas/Bonnie Lou Risby http://schazzieclub.grupo.jp/blog/360899 2001年12月28日(金)20011228ACountryChristmas/BonnieLouRisby---+---+---+---+++---+---+---+---アメリカのとある小さな村。そこで暮らすポンダー一家の一年を描いた心温まる話。フランシーは貧しいけれども優しい母と働き者の父、たくさんの兄や姉、弟たちと暮らしている。いじわるでわがままなイトコとの付き合いや、毎日の農場の仕事などを一生懸命こなし、いろいろな苦労をしながら、ついに素晴らしいクリスマスを迎える。心が幸せだと、人にも優しくなれる。そんな豊かな経験をして、フランシーはきっと大人になっていくのだろう。ストーリーはとくに特徴もないし、むしろ退屈だったのだけれど、最後にフランシーが感じた気持ちにはっとさせられる。貧しくとも、辛くとも、幸せだと思える豊かな心を持ちたい。 2013-08-25T05:47:00+09:00 2001年12月28日(金)20011228ACountryChristmas/BonnieLouRisby---+---+---+---+++---+---+---+---アメリカのとある小さな村。そこで暮らすポンダー一家の一年を描いた心温まる話。フランシーは貧しいけれども優しい母と働き者の父、たくさんの兄や姉、弟たちと暮らしている。いじわるでわがままなイトコとの付き合いや、毎日の農場の仕事などを一生懸命こなし、いろいろな苦労をしながら、ついに素晴らしいクリスマスを迎える。心が幸せだと、人にも優しくなれる。そんな豊かな経験をして、フランシーはきっと大人になっていくのだろう。ストーリーはとくに特徴もないし、むしろ退屈だったのだけれど、最後にフランシーが感じた気持ちにはっとさせられる。貧しくとも、辛くとも、幸せだと思える豊かな心を持ちたい。 FIREFLIES/Alice Hoffman http://schazzieclub.grupo.jp/blog/360898 2001年12月27日(木)20011227FIREFLIES/AliceHoffman---+---+---+---+++---+---+---+---アリス・ホフマンの珍しい絵本。とはいえ、文章の短い絵本というわけではなく、絵が多い本といったほうがいいかも。11月から5月まで、雪に覆われる町。5月になるとホタルの群れが訪れ、雪が消え、春になる。ある年、5月になってもホタルは現れず、雪も消えずにいた。そんな中で姿を消した少年。戻ってきた少年が連れてきたものは・・・。ホフマンお得意のマジカルな世界。ブルーを基調にした絵も幻想的で、雪とホタルの組み合わせが美しい。 2013-08-25T05:46:00+09:00 2001年12月27日(木)20011227FIREFLIES/AliceHoffman---+---+---+---+++---+---+---+---アリス・ホフマンの珍しい絵本。とはいえ、文章の短い絵本というわけではなく、絵が多い本といったほうがいいかも。11月から5月まで、雪に覆われる町。5月になるとホタルの群れが訪れ、雪が消え、春になる。ある年、5月になってもホタルは現れず、雪も消えずにいた。そんな中で姿を消した少年。戻ってきた少年が連れてきたものは・・・。ホフマンお得意のマジカルな世界。ブルーを基調にした絵も幻想的で、雪とホタルの組み合わせが美しい。 The Bear That Wasn't/Frank Tashlin http://schazzieclub.grupo.jp/blog/360895 2001年12月26日(水)20011226TheBearThatWasn't/FrankTashlin---+---+---+---+++---+---+---+---くまが冬の気配を感じ、冬眠に入る。春になって目覚めてみると・・・!人間社会の真ん中に現れたくまに、「ひげをそる必要のある、毛皮のコートを着たばか者」と言って、「でも私はくまなんです」というくまに耳を貸さない人間たちや、同じく「ひげをそる必要のある、毛皮のコートを着たばかな人間」だと言って、自分たちと同じ仲間だと認めない動物園やサーカスのくまたち。わけのわからないままに人間の社会で働かされるくまが、冬の気配を感じて再び冬眠するまでのお話。アメリカのコミックによくありそうな絵と物語で、場面ごとにククク!と笑える楽しい本。町に熊が現れたら大騒ぎするだろうという常識を見事にくつがえした、ユーモアたっぷりの話で、ひとりでケラケラ笑ってしまった。わからずやの人間に対して、「ものごころついた時から、私はくまだったんです」というセリフがはまった。 2013-08-25T05:42:00+09:00 2001年12月26日(水)20011226TheBearThatWasn't/FrankTashlin---+---+---+---+++---+---+---+---くまが冬の気配を感じ、冬眠に入る。春になって目覚めてみると・・・!人間社会の真ん中に現れたくまに、「ひげをそる必要のある、毛皮のコートを着たばか者」と言って、「でも私はくまなんです」というくまに耳を貸さない人間たちや、同じく「ひげをそる必要のある、毛皮のコートを着たばかな人間」だと言って、自分たちと同じ仲間だと認めない動物園やサーカスのくまたち。わけのわからないままに人間の社会で働かされるくまが、冬の気配を感じて再び冬眠するまでのお話。アメリカのコミックによくありそうな絵と物語で、場面ごとにククク!と笑える楽しい本。町に熊が現れたら大騒ぎするだろうという常識を見事にくつがえした、ユーモアたっぷりの話で、ひとりでケラケラ笑ってしまった。わからずやの人間に対して、「ものごころついた時から、私はくまだったんです」というセリフがはまった。