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テリーと海賊/ジュリアン・F・トンプスン

2002年01月23日(水)
20020123
テリーと海賊(B+)/ジュリアン・F・トンプスン
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1)テリー・タリーは16歳と8ケ月。大人の束縛から逃れて、いざ永遠の楽園、カリブの島を目指して家出を決行! ところが、船は嵐に遭い、海賊に捕まって南の孤島に撮れ去られる。さてさて、テリーの運命やいかに…!

ジャンルはヤングアダルト。最近ヤングアダルトものの翻訳と言えば、なぜか金原瑞人氏が起用される。たしかにフランチェスカ・リア・ブロックの『ウィーツィー・バット』はよかったが、それを「なかなかいいじゃん!」と学生に褒められてからというもの、全て同じような訳になってしまっていて、この『テリーと海賊』もその例にもれない。

そういう懸念を持って読み始めたので、ああ、やっぱり!と思った時には、がっかりを通り越して、怒りさえ覚えてしまった。少なくともプロの翻訳家なんだから、ひとつ上手くいったからって、全部それと同じように訳さないでよ!ったく!楽しい物語だと思うので、原書で読める人は原書で読んだほうがずっといいだろうと思う。

2)これって、一種の「ブリジット・ジョーンズの日記」的な面白さだと思う。毎日あれして、これして・・・という記述。そこにちょっとした冒険とちょっとエッチな話が混じって、今時の若者言葉で軽く進んでいく。割と正直に赤裸々に感情を表現していて、小説というよりもやっぱり日記に近い感じ。なので、面白い。でも、原書で読めば、もっと面白いだろう。

3)翻訳がどうのこうのと言ってはいたけれど、それをあまりある面白さだった。アメリカの人気コミック『テリーと海賊』をもとに書いた小説なので、コミック的な軽妙さがあり、場面ごとに絵が思い浮かぶよう。登場するキャラクター達もそれぞれ個性的で、それぞれ魅力的。これもまた絵が思い浮かぶようだ。こと細かな描写は、やはり日記的。

これまでの海洋冒険小説と違うのは、行った先が絶望的な無人島というわけではなく、表向きは無人島だが、そこに住んでいた海賊は文明的な生活をしていて、周りにはアメリカの一般的商品があふれているということ。

それと、主人公のテリーの性格が前向きで明るく、けして世をはかなんで・・・というような考えを持たないのと、ちゃんとした常識も持ち合わせているのが救われる。例えば、人を殺してはいけないとか、むやみにエッチしたらいけないとか・・・。家出はしたけれど、大人に反抗したわけじゃない。「翼を広げよう」というあくまでも前向きな一大決心だったりするのだ。人殺しも暴力もあたりまえのように書かれている物語が氾濫している中で、健康的で明るい、ほっとする物語だった。



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