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壁のなかの時計─ルイスと魔法使い協会/ジョン・ベレアーズ

2001年07月06日(金)
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壁のなかの時計─ルイスと魔法使い協会/ジョン・ベレアーズ
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『The House With a Clock in Its Walls』の翻訳。ルイスと魔法使い協会シリーズ(1)

交通事故で両親を失ったルイス少年は、おじのジョナサンの家に引き取られる。おじさんの家には、たくさんの時計があった。やがておじさんが魔法使いだと知ったルイス。おじさんばかりでなく、隣のミセス・ツィマーマンも魔女だった。二人とも、何か重大な秘密を隠しているようなのだが…。

ルイスが学校に行くようになると、タービーという友達ができる。タービーはスポーツも万能な人気者だったが、太ったルイスは野球さえ満足にできないので、タービーに馬鹿にされてばかりいた。何とかタービーの興味を引こうとして、丘のてっぺんにある墓地で、魔法を使ってみせることを約束してしまう。

見ては行けないと言われていたおじさんの本から、魔法の呪文を勉強したルイスは、自分でも知らないうちに霊廟の中の魔女を呼び出してしまう。彼女はアイザック・アイザードという邪悪な魔法使いの妻で、世界の終りを次げる時計を動かして、この世界を破滅に導こうとしていたのだ。そして、魔女とミセス・ツィマーマンとの戦いが…。

この本の挿絵は、エドワード・ゴーリーである。挿絵のイメージも加味されて、不気味で恐ろしい雰囲気となっている。得体の知れない車に追いかけられたり、死んだはずの人間が真夜中に訪ねて来たり…。特に派手な見せ場はないものの、じわーっと怖いのである。

主人公のルイスは根っから弱虫で、よせばいいのに、いろいろな所に首を突っ込む。そうして怖い思いをして、すぐ泣いたり、失神したりするのだが、徐々にルイスがいとおしくなってくるのが不思議。ルイスはマナーのきちんとした、とても良い子で、全然さえなくてヒーローにはほど遠いのだが、すぐに泣いたりしてしまうところが、子どもらしくてかわいいじゃない!という感じだ。しかし、最後に魔女をやっつけるのは、ルイスなのだ。

ところで、主人公ルイスと書いたが、2巻、3巻を見ると、主役はむしろミセス・ツィマーマンのようだ。この後のミセス・ツィマーマンの活躍に期待したい。2巻にはルイスのガールフレンドも出て来るし…。

余談だが、この中に出てくる、灯りをともせる「栄光の手」、ハリー・ポッターの2巻にも出てこなかっただろうか?ローリングは、この物語もチェックしていたかもしれない。



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